健診で肝機能異常を指摘されたら|AST・ALT・γ-GTPの見方、原因・再検査・受診の目安を解説|知立市の知立ファミリークリニック|内科、糖尿病内科、泌尿器科

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健診で肝機能異常を指摘されたら|AST・ALT・γ-GTPの見方、原因・再検査・受診の目安を解説

健診で肝機能異常を指摘されたら|AST・ALT・γ-GTPの見方、原因・再検査・受診の目安を解説|知立市の知立ファミリークリニック|内科、糖尿病内科、泌尿器科

2026年8月26日

健診で肝機能異常を指摘されたら|AST・ALT・γ-GTPの見方、原因・再検査・受診の目安を解説

健康診断の結果に「肝機能異常」「AST・ALT高値」「γ-GTP高値」「要再検査」などと書かれていると、「お酒を飲みすぎたからだろう」「症状がないので大丈夫だろう」と考えてしまう方もいるかもしれません。

しかし、肝機能異常の原因は飲酒だけではありません。肥満や糖尿病、脂質異常症などに関連する脂肪肝、B型・C型肝炎、薬やサプリメントの影響、胆石・胆道疾患、自己免疫性の肝疾患など、さまざまな病気が隠れている可能性があります。

肝臓は、病気が進行しても症状が現れにくいことから「沈黙の臓器」と呼ばれています。日本肝臓学会の「奈良宣言2023」では、健康診断などでALTが30U/Lを超えていた場合には、まずかかりつけ医などを受診することが勧められています。

この記事では、健康診断で肝機能異常を指摘されたときに確認したい検査項目、考えられる原因、医療機関で行う検査、受診の目安について解説します。

肝機能異常とは?

一般に「肝機能検査」と呼ばれている検査には、AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビンなどがあります。

ただし、ASTやALTは、肝臓そのものの働きを直接測定しているわけではありません。肝細胞が傷ついたときに、細胞内にある酵素が血液中へ漏れ出すことで数値が上昇します。

そのため、ASTやALTの上昇は、正確には「肝臓の機能低下」よりも、肝細胞が障害されている可能性を示すサインと考える方が適切です。特にALTはほかの臓器には比較的少なく、肝障害を反映しやすい検査項目です。

一方、アルブミンや血液凝固能などは、肝臓がたんぱく質を作る能力を評価する検査です。肝臓病が進行した場合には、これらの数値にも異常が現れることがあります。

健診で確認される肝機能検査の見方

AST(GOT)

ASTは、肝臓だけでなく、筋肉、心臓、赤血球などにも含まれる酵素です。

肝炎や脂肪肝などで上昇しますが、激しい運動や筋肉の損傷によって高くなることもあります。そのため、ASTだけが高い場合は、肝臓以外の原因も含めて確認する必要があります。

ALT(GPT)

ALTは主に肝細胞に含まれる酵素で、ASTよりも肝臓の障害を反映しやすい検査項目です。

脂肪肝、ウイルス性肝炎、薬物性肝障害、自己免疫性肝炎などで上昇します。日本肝臓学会は、健診などでALTが30U/Lを超えている場合には、慢性肝臓病が隠れている可能性を考え、医療機関を受診するよう呼びかけています。

γ-GTP(γ-GT)

γ-GTPは、肝臓や胆管に多く含まれる酵素です。

飲酒による影響で上昇しやすいことで知られていますが、脂肪肝、薬剤の影響、胆石や胆管の病気などでも高くなります。

「γ-GTPが高い=必ずお酒が原因」というわけではありません。お酒をあまり飲まない方や、まったく飲まない方でも、原因を確認することが大切です。

ALP

ALPは肝臓、胆管、骨などに存在する酵素です。

γ-GTPとともに高い場合には、胆石や胆管の狭窄、胆汁の流れが悪くなる病気などが疑われます。一方で、骨の病気など肝臓以外の原因によって上昇することもあります。

総ビリルビン

ビリルビンは、古くなった赤血球が分解されるときに生じる物質です。肝臓で処理された後、胆汁に含まれて体外へ排出されます。

ビリルビンが高くなると、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、尿の色が濃くなるといった症状が現れることがあります。

血小板・アルブミン

血小板の減少は、慢性的な肝障害や肝線維化が進行しているサインになることがあります。

アルブミンは肝臓で作られるたんぱく質です。肝硬変などで肝臓の働きが低下すると、アルブミンが低くなることがあります。ただし、栄養状態や腎臓病などの影響も受けるため、ほかの検査と合わせて判断します。

AST・ALT・γ-GTPの組み合わせで原因はわかる?

検査値の組み合わせは原因を考える手がかりになりますが、数値だけで病名を確定することはできません。

ALTが中心に高い場合

脂肪肝、ウイルス性肝炎、薬物性肝障害、自己免疫性肝炎などが考えられます。

肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧がある方では、代謝異常に関連する脂肪肝を疑います。

ASTがALTより高い場合

アルコール関連肝疾患、進行した慢性肝疾患、筋肉の障害などが考えられます。

ただし、ASTとALTの比率だけで飲酒が原因と判断することはできません。

γ-GTPだけが高い場合

飲酒、脂肪肝、薬剤の影響などが考えられます。

症状がなく、ほかの数値が正常であっても、飲酒量や服用している薬、腹部超音波検査の結果などを含めて評価します。

ALPやビリルビンも高い場合

胆石、胆管炎、胆管の狭窄などによって、胆汁の流れが悪くなっている可能性があります。

発熱、右上腹部の痛み、黄疸などを伴う場合は、早めの診察が必要です。

肝機能異常の主な原因

1.脂肪肝・MASLD

現在、健診で肝機能異常を指摘される原因として重要なのが脂肪肝です。

特に、肥満、内臓脂肪の蓄積、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの代謝異常と関連する脂肪性肝疾患は、MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)と呼ばれます。

従来はNAFLDと呼ばれていましたが、日本肝臓学会と日本消化器病学会によるガイドラインも、2026年に「MASLD診療ガイドライン」へ改訂されています。

脂肪肝は「肝臓に脂肪がたまっているだけ」と思われがちですが、一部では炎症や線維化を伴い、肝硬変や肝がんへ進行する可能性があります。

また、見た目が痩せている方でも、内臓脂肪、糖尿病、体質などを背景として脂肪肝になることがあります。

2.アルコール関連肝疾患

飲酒によって、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝線維化、肝硬変などが起こることがあります。

飲酒量だけでなく、飲酒期間、性別、体質、肥満、糖尿病の有無などによっても影響は異なります。

毎日飲酒している方や、一度に多量のお酒を飲むことがある方は、実際の飲酒量を医師に伝えることが重要です。アルコールによる肝障害では、γ-GTPが高くなることがありますが、ASTやALTも含めた総合的な評価が必要です。

3.B型肝炎・C型肝炎

B型・C型肝炎ウイルスに感染していても、長期間にわたって自覚症状がないことがあります。

肝機能の数値が変動しながら、慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行することもあるため、これまでに肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、一度検査を受けることが推奨されています。肝炎ウイルスへの感染は、採血によるHBs抗原、HCV抗体などで確認します。

肝炎ウイルスが陽性だった場合でも、現在は適切な抗ウイルス治療によって、ウイルスの排除や増殖の抑制を目指せます。

4.薬やサプリメントによる肝障害

処方薬、市販薬、漢方薬、健康食品、サプリメントなどが原因となって、肝機能異常が起こることがあります。

長期間飲んでいた薬でも、途中から肝障害が現れることがあります。また「天然成分だから安全」「健康食品だから肝臓には悪くない」とは限りません。

ただし、肝機能異常を指摘されたからといって、処方薬を自己判断で中止してはいけません。服用している薬やサプリメントをすべて医師に伝え、継続・中止・変更について相談してください。

5.胆石・胆のう・胆管の病気

胆石や胆管の狭窄などによって胆汁の流れが妨げられると、γ-GTP、ALP、ビリルビンなどが上昇することがあります。

胆管炎を起こすと、発熱、悪寒、右上腹部痛、黄疸などが現れることがあり、緊急の治療が必要になる場合があります。

6.自己免疫性肝疾患

免疫の異常によって、自分自身の肝細胞や胆管が障害される病気があります。

代表的なものには、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎などがあります。

自己免疫性肝炎ではAST・ALT、原発性胆汁性胆管炎などではALP・γ-GTPが上昇しやすく、抗核抗体、IgG、抗ミトコンドリア抗体などの追加検査を行うことがあります。

7.肝臓以外の原因

ASTやALPは、肝臓以外の臓器にも存在します。

激しい運動や筋肉の損傷によるAST上昇、骨の病気によるALP上昇など、肝臓以外の原因で健診結果が異常になることもあります。

検査値だけで自己判断せず、症状、運動歴、服薬状況、ほかの検査結果を含めて評価することが必要です。

症状がなくても受診した方がよい理由

肝臓病の初期には、ほとんど症状がないことが珍しくありません。

倦怠感や食欲不振などの症状が現れた時点では、肝炎や肝線維化が進んでいることもあります。また、肝機能の数値がそれほど高くなくても、長期間にわたって異常が続くことで肝線維化が進行する場合があります。

さらに、ASTやALTが一時的に正常になったとしても、脂肪肝、B型・C型肝炎、肝線維化などがなくなったとは限りません。

重要なのは、数値を一時的に下げることではなく、なぜ肝機能異常が起きているのか、肝臓の線維化が進んでいないかを確認することです。

肝機能異常を指摘されたときの受診の目安

早めに外来を受診したい場合

以下に当てはまる場合は、健診結果を放置せず、内科や消化器内科などを受診しましょう。

  • AST、ALT、γ-GTPなどが基準値を超えている
  • ALTが30U/Lを超えている
  • 前年より肝機能の数値が上昇している
  • 数年にわたって肝機能異常が続いている
  • 健診で脂肪肝を指摘されている
  • 肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧がある
  • 日常的に飲酒している
  • これまでに肝炎ウイルス検査を受けたことがない
  • 複数の薬、漢方薬、サプリメントを服用している
  • 血小板数が低下している
  • 家族に肝臓病や肝がんになった人がいる

軽度の異常であっても、次の健康診断まで1年間待つのではなく、一度原因を確認しておくことが大切です。

速やかな受診が必要な症状

次のような症状がある場合は、通常の健診後の再検査を待たず、当日または速やかに医療機関へ相談してください。

  • 皮膚や白目が黄色い
  • 尿が紅茶やコーラのように濃い
  • 強い倦怠感がある
  • 食欲がなく、吐き気や嘔吐が続く
  • 発熱や悪寒がある
  • 右上腹部に強い痛みがある
  • お腹が急に張ってきた
  • 意識がぼんやりする
  • 出血が止まりにくい
  • 黒い便が出た、または吐血した

急性肝炎では、黄疸、食欲不振、吐き気、嘔吐、全身倦怠感、発熱などが現れることがあります。まれではあるものの、急速に重症化する場合もあります。

医療機関ではどのような検査をする?

問診

まず、健康診断の結果とともに、次のような内容を確認します。

  • 過去の肝機能検査の推移
  • 飲酒量と飲酒頻度
  • 体重の増減
  • 糖尿病、脂質異常症、高血圧の有無
  • 処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメントの使用状況
  • 輸血歴や手術歴
  • 肝炎ウイルス検査を受けたことがあるか
  • 家族に肝臓病になった人がいるか
  • 発熱、腹痛、黄疸、倦怠感などの症状があるか

飲酒量や服薬内容を正確に伝えることが、原因の特定につながります。

血液検査

必要に応じて、以下の項目を確認します。

  • AST、ALT
  • γ-GTP、ALP
  • 総ビリルビン
  • アルブミン
  • 血小板数
  • 血液凝固能
  • B型・C型肝炎ウイルス検査
  • 血糖値、HbA1c
  • LDLコレステロール、中性脂肪
  • 自己抗体や免疫グロブリン
  • 鉄、フェリチンなど

健診時の一度の数値だけでなく、再検査によって異常が持続しているか、数値が上昇しているかを確認することも重要です。

腹部超音波検査

腹部超音波検査では、脂肪肝の有無、肝臓の形、肝硬変を疑う変化、肝腫瘤、胆石、胆管の拡張などを確認します。

脂肪肝の診断では、血液検査だけでなく、腹部超音波などの画像検査が重要です。

肝線維化の評価

慢性的な肝障害では、肝臓に線維がたまり、徐々に硬くなっていくことがあります。これを肝線維化といいます。

肝線維化の評価には、血小板数、肝線維化マーカー、エラストグラフィなどを使用します。

また、年齢、AST、ALT、血小板数から計算する「FIB-4 index」が参考になることがあります。FIB-4 indexは、一般的な血液検査の結果から肝線維化の可能性を評価できる指標です。ただし、年齢の影響を受けるため、数値だけで診断するものではありません。

肝機能異常の治療

肝機能異常に対して、すべての人に共通する治療薬があるわけではありません。原因に応じた治療が必要です。

脂肪肝・MASLD

食事内容、運動習慣、体重、血糖値、血圧、脂質などを見直します。

体重が多い方では、急激な減量ではなく、無理なく継続できる方法で体重を減らすことが基本です。糖尿病、脂質異常症、高血圧がある場合には、これらを適切に治療することも重要です。

アルコール関連肝疾患

飲酒量を減らす、または禁酒することが治療の中心になります。

すでにアルコール依存が疑われる場合には、急に一人で断酒すると離脱症状が起こることがあります。医療機関と相談しながら進めましょう。

ウイルス性肝炎

B型肝炎ではウイルスの増殖を抑える治療、C型肝炎ではウイルスの排除を目指す治療を行います。

検査が陽性であっても、すぐに悲観する必要はありません。現在は治療法が大きく進歩しているため、専門的な評価につなげることが重要です。

薬物性肝障害

原因と考えられる薬やサプリメントを確認し、必要に応じて中止や変更を検討します。

ただし、処方薬を自己判断で中止すると、もともとの病気が悪化する可能性があります。必ず医師と相談してください。

胆石・胆管の病気

胆汁の流れが妨げられている場合には、内視鏡治療や手術などが必要になることがあります。

発熱、腹痛、黄疸を伴う胆管炎は、入院治療が必要になる場合があります。

受診までに気をつけたいこと

健診結果を持参する

今回の結果だけでなく、過去数年分の健康診断結果があると、数値の変化を確認できます。

薬とサプリメントを整理する

お薬手帳を持参し、市販薬、漢方薬、健康食品、サプリメントについても伝えてください。商品の袋や写真があると確認しやすくなります。

飲酒量を確認する

「少しだけ」「毎晩飲む」といった表現ではなく、種類、量、頻度を記録しておくと原因を判断しやすくなります。

受診までは飲酒を控える

原因がわかるまでは、できるだけ飲酒を控えましょう。ただし、日常的に大量飲酒をしており、手の震え、発汗、不眠などが出る可能性がある方は、自己判断で急に断酒せず医療機関に相談してください。

「肝臓によい」とされるサプリメントを追加しない

肝機能異常があるからといって、新しい健康食品やサプリメントを自己判断で始めることは勧められません。

原因の特定が難しくなったり、かえって肝障害を悪化させたりする可能性があります。

よくある質問

γ-GTPだけが高いのですが、受診は必要ですか?

γ-GTPは飲酒で高くなりやすい項目ですが、脂肪肝、薬剤、胆道疾患などでも上昇します。

飲酒量を減らすだけでよいとは限らないため、異常が続いている場合や、以前より上昇している場合には一度相談しましょう。

お酒を飲まないのに脂肪肝になることはありますか?

あります。

肥満、内臓脂肪、糖尿病、脂質異常症、高血圧などに関連するMASLDは、お酒をほとんど飲まない方にも起こります。痩せている方でも脂肪肝になることがあります。

AST・ALTが少し高いだけなら様子を見てもよいですか?

一時的な上昇の場合もありますが、軽度の異常が長期間続いている場合には慢性肝疾患が隠れている可能性があります。

特にALTが30U/Lを超えている場合、前年より上昇している場合、肥満や糖尿病などがある場合は、一度医療機関で原因を確認しましょう。

再検査で正常なら、もう大丈夫ですか?

一度正常になっただけでは、原因が完全に解消したとは限りません。

肝機能の数値は変動することがあります。過去の推移、肝炎ウイルス検査、腹部超音波検査、肝線維化の評価などを含めて判断します。

肝機能異常は何科を受診すればよいですか?

まずは内科で相談できます。

問診、再採血、肝炎ウイルス検査、生活習慣病の評価などを行い、必要に応じて消化器内科や肝臓の専門医へ紹介します。

健診で肝機能異常を指摘されたら放置せず相談しましょう

健康診断で肝機能異常を指摘されても、すぐに重い肝臓病があるとは限りません。

一方で、脂肪肝、B型・C型肝炎、アルコール関連肝疾患、薬物性肝障害など、自覚症状がないまま進行する病気が隠れている可能性があります。

特に、次のような方は一度医療機関で相談することが大切です。

  • ALTが30U/Lを超えている
  • AST、ALT、γ-GTPの異常が続いている
  • 健診で脂肪肝を指摘されている
  • 肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧がある
  • 日常的に飲酒している
  • これまでに肝炎ウイルス検査を受けたことがない
  • 薬やサプリメントを複数服用している

肝機能検査では、単に数値を再確認するだけでなく、異常の原因と、肝線維化が進んでいないかを調べることが重要です。

健康診断の結果を持参し、次の健康診断まで放置せず、早めに内科へご相談ください。

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