2026年4月01日

肺炎球菌ワクチンについて
2026年4月から定期接種は「ニューモバックス」から「プレベナー20」に変わりました
肺炎は高齢になるほど重症化しやすく、入院や体力低下のきっかけになることがあります。
その原因菌のひとつとして重要なのが肺炎球菌です。肺炎球菌は肺炎だけでなく、敗血症や髄膜炎などの重い感染症を起こすこともあるため、予防が大切です。厚生労働省も、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの定期接種を継続して実施しています。
2026年4月1日からは、この高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期接種で使用するワクチンが、これまでのニューモバックスNP(PPSV23)から、プレベナー20(PCV20)へ変更されました。定期接種で用いるワクチンは、2026年度以降はPCV20のみとなっています。
肺炎球菌ワクチンが変わった理由
今回の変更は、単なる製品の入れ替えではありません。
厚生労働省は、審議会での検討を踏まえ、PCV20はPPSV23より高い有効性が期待できること、さらに成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因となる血清型のカバー割合が概ね同程度であること、そして安全性に特段の大きな懸念がないことから、定期接種のワクチンをPCV20へ変更しました。
審議会資料では、2024年時点の成人侵襲性肺炎球菌感染症の原因血清型に対するカバー割合は、PPSV23が55%、PCV20が56%と示されています。そのうえで、PCV20はカバーする血清型に対して、PPSV23より高い有効性が期待できると整理されています。
プレベナー20とは?
プレベナー20は、20種類の肺炎球菌の血清型に対応した結合型ワクチンです。
厚生労働省によると、これら20種類の血清型は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症の原因の約5~6割を占めるとされ、PCV20には侵襲性肺炎球菌感染症全体を3~4割程度予防する効果があるという研究結果が示されています。
また、2026年4月以降の高齢者の定期接種では、PCV20を1回、筋肉内に接種します。従来のニューモバックスNPでは接種方法が異なっていましたが、現在の定期接種で用いられるのはプレベナー20です。
定期接種の対象となる方
2026年4月以降も、定期接種の対象者自体は大きく変わっていません。
厚生労働省では、以下の方を対象として案内しています。
65歳の方
60~64歳で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に重い障害がある方
60~64歳で、HIVによる免疫機能障害があり、日常生活がほとんど不可能な方
実際の自己負担額や公費助成の扱いは市区町村によって異なるため、詳細はお住まいの自治体の案内もあわせてご確認ください。定期接種の実施主体は市町村です。
これまでにニューモバックスを受けた方はどう考えればよい?
「以前に肺炎球菌ワクチンを打ったことがあるけれど、今回はどうすればよいのか」と迷われる方も少なくありません。
肺炎球菌ワクチンの扱いは、過去の接種歴、年齢、基礎疾患の有無、接種の目的(定期接種か任意接種か)によって考え方が変わります。厚生労働省の定期接種制度としては、2026年4月以降はPCV20が用いられますが、個別の接種判断は診療の中で確認することが大切です。
「昔ニューモバックスを受けた」「定期接種の時期を逃してしまった」「自分が対象になるのかわからない」という方は、接種歴がわかるものをお持ちのうえでご相談ください。
副反応について
プレベナー20接種後には、注射部位の痛み・赤み・腫れ、筋肉痛、頭痛、だるさ、発熱などがみられることがあります。多くは一時的ですが、まれにアナフィラキシーなど重い副反応が起こる可能性もあるため、接種後に気になる症状があれば医療機関へご相談ください。
当院ではプレベナー20の接種が可能です
2026年4月からの制度変更にあわせ、当院でもプレベナー20の接種に対応しています。
定期接種の対象になるかどうか確認したい方、これまでの接種歴が曖昧な方、任意接種について相談したい方も、お気軽にご相談ください。
肺炎は、かかってから治療することも大切ですが、重症化を防ぐためにあらかじめ備えることもとても重要です。
年齢や基礎疾患が気になる方は、この機会に肺炎球菌ワクチンについて一度確認してみましょう。